家族信託普及協会の研修に参加、家族信託コーディネーターになりました

コロナ禍で延期になっていた「家族信託コーディネーター」研修に参加しました。

研修の性質上、対面での受講が必須でしたので、予定していた時より1年半も延期での参加です。

家族信託ってなんだ? 最近はテレビや新聞、雑誌で取り上げられる機会が増えてきたので、言葉くらいは聞いたことがあるのかもしれませんね。簡単に言えば「認知症」に対する対策です。

現状、65歳以上の高齢者の6人に1人が認知症と言われています。今後の高齢化に伴い、2040年には4人に1人が認知症になるといった統計もあります。 かくれ認知症も含めると大変な数になると思われます。

認知症になってしまうと法律行為が一切、出来なくなってしまいます。預貯金の凍結により、銀行窓口で預金をおろすとか、定期預金を解約することもできません。老後の資金のために自宅を売却しようとしても売却することもできません。アパート経営をしている方が認知症になってしまうと、賃貸借契約を交わすこともできませんし、リフォームの発注もできなくなります。相続対策もできなくなってしまいます。

認知症になってしまったら法律行為をするには成年後見制度を利用することになりますが、一度成年後見人をたてるとやめることができず、後見人への報酬はずっと続くうえ、本人宛の郵便物も後見人がチェックすることになります。家族は本人の資産状況なども知ることができなくなってしまいます。

そこで注目されているのが家族信託なんです。本人が元気なうちに、自分の特定の財産について家族信託を活用することにより、本人が認知症になってしまっても特定の財産の運用、リフォーム、売却などを本人に代わって可能になります。

例えば、本人が特定の財産(例えば収益アパート)を長男に託す場合、本人を委託者といいます。託された長男を受託者といいます。そして収益アパートの利益は本人が受領すれば本人は受益者になります。基本は委託者、受託者、受益者の関係です。収益アパートの管理、修繕、売却など、予め決められた受託者の権限の範囲であれば、委託者である本人が認知症になっても、収益アパートの管理も修繕も売却もできるようになります。

本人の考え、希望などにより家族信託の内容は千差万別です。家族信託では組成するといい、これが正解という答えはありません。

また家族信託は、遺言の役割を果たすことができます。本人の意思に基づいて、特定の財産を決められた相続人などに相続させることが可能です。本人はその相続人に相続が発生した場合、その先の相続先を決めておくこともできるんです。

もし財産は自宅だけと、自分は相続対策には無縁と思われている方がいても、自宅を家族に信託しておけば自分が認知症になっても、老後の資金として自宅を売却することも可能です。一度、家族信託を検討してみては如何でしょうか。