事例ファイル【相続】高齢になったご夫婦の相続対策

83歳の男性Aさんからの相談です。Aさんは80歳の妻Bさんと二人暮らし。お子様はいらっしゃいません。お二人の自宅の敷地は50年以上前に妻Bさんの実家から贈与により取得した土地です。その土地にAさんの自己資金で50年前に自宅を建て、現在に至っています。

このところAさんは室内での歩行が困難なうえ、外科系疾患で入退院を繰り返している状況です。最近では妻Bさんの物忘れが多くなってしまい、Aさんの退院を待ってお二人で入所できる施設で平穏な毎日を送りたいとお考えです。

介護施設への入所を機会にご自宅を売却し、現金化できればとAさん夫妻は妻Bさんの兄弟姉妹と共に弊社へ相談に来店されました。妻Bさんは幸いにも今のところ、ご自分の名前や生年月日等を答えたり書いたりできる状態ではありましたが万が一、認知が進行し判断能力が低下してしまうと本人確認が困難になり、不動産を売却することはできません。またご自宅の敷地ですが、場所は悪くないのですが、間口の割に奥行が長く売却するのは相当な期間が必要なうえ、埋蔵文化財包蔵地内なので市の試掘調査の立会いや場合によっては調査により売却までに長期間を要することも考えられます。

まずは一括で購入できる業者を探し、Aさん夫婦が介護施設へ入所した段階で速やかに敷地の売却を進めていかなければなりません。事前に市の担当者、購入業者、解体業者と綿密に打ち合わせをし、出来る限り最短でご自宅を売却することを優先しようと計画しています。

何も対策しないより考えられることを少しでも進め、妻Bさんの認知の進行が進む前に取り組ませていただこうと思います。