事例ファイル【相続】親が離婚している家族

■親が離婚している家族

約25年ほど前、父親は妻と離婚し、二人の間の子供たち(長女、長男、次男)は父親が引き取りました。

「私は結婚に対しては良い印象がないから結婚はしないつもり。」と言っていた長女が乳がんを患い、1年半の闘病の末にお亡くなりになったそうです。

長女は母親なき家族で弟たちの面倒や家事にも積極的に取り組み、明るい存在でした。大人になり社会に出るとカフェを経営し、繁盛して資金も増え、2店舗目を出店しようとした矢先の乳がん発病でした。

自分の死期を知った長女は、自分の死後の相続で自分の資産(主に現預金)は、苦労して自分たち3人の子供を育ててくれた父親に残したいと考え、遺言書を作成しようと勉強しました。しかし自分の財産が母親にも相続されることを知り、弟たちの助言やアドバイスもあり、母親と会う決心をしました。

長女の余命が短いことを知らされた母親は、悲しみと子供たちを置いて家を出たお詫びばかりで、泣き崩れました。長女は、「私は生きることを諦めているわけではないけど、自分がなくなった時のことを考え、準備をしている。お父さんにはこれまで育ててくれたことをすごく感謝しているから、私の遺産はすべてお父さんに相続してほしいと思っています。お母さん、相続放棄してもらえますか?」

母親は、「もちろん、私にはもらう理由がないよ。」